ミステリ事始め
仕事が一段落したので、職場に積んでおいたミステリに着手。
ああ、なんて幸せなひととき。
●長岡弘樹『傍聞き』(双葉社)
→読了。“第61回日本推理作家協会賞”短編部門受賞作『傍聞き(かたえぎき)』を含む短編4編を収録。
更生保護施設の施設長、消防士、刑事、救急救命士を主人公にした、いわゆる“職業モノ”になっているのが特徴。
しかも、職業モノが陥りがちなウンチクの羅列に終始することなく、その職業に従事する者のプロ意識、
そして、人の温かさをポジティブに描くことに成功している。
ベストは表題作の『傍聞き』。上記に加えて、趣向も素晴らしい。出色のデキかと。
ボリュームは物足りないが*1、短編スキーとしても十分に満足できる作品。オススメ。
以下、これから読むブツ。
●伊藤計劃『ハーモニー』(早川書房) ※ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション
→『SFが読みたい!2008年版』ベストSF2007 国内篇1位『虐殺器官』でブレイクした作者の最新長編。
あらすじというか設定が超好み。
●山下貴光『屋上ミサイル』(宝島社)
→『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。
青春小説×『チーム・バチスタの栄光』ライクなキャラクター小説のような気がする。
●連城三紀彦『造花の蜜』(角川春樹事務所)
→年末のミステリランキングを考慮していれば、間違いなく上位にランクインしていたと言われる、大評判の1作。
作者の長編は『流れ星と遊んだころ』以来? 超楽しみ。
*1:短編4編だけ&文字が大きいこともあり、1時間足らずで読み終わってしまった