FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

実を取るか、利を取るか

道尾秀介著「向日葵の咲かない夏」50万部突破(新文化)





4月の日記(前半)(綾辻行人データベースAyalist)

あの帯、微妙に叙述トリックだよね(笑)。
「2009年このミス作家別投票第一位」というのは確かにその通りなんだけど、「作家別投票」という字がとっても小さい(笑)。
そもそも2009年版にランクインしてたのは『向日葵〜』ではなく『カラスの親指』と『ラットマン』。
それがまるで『向日葵〜』がこのミス一位だったように思えてしまうという‥ま、そういう売り方もアリということで。





本屋さんに突撃!(ミステリあれやこれや)

こういう売り方は正直言って卑怯だと思う。
『鬼の跫音』が1位を取ったわけでも無いのに「1位」を強調して、読者に手に取らすやり方。
自分も一瞬『鬼の跫音』が1位を取ったのかと思った。



上記2サイトの引用部分は全文ではない。全文はリンク先で確認されたし。




インターネットで『向日葵の咲かない夏』文庫版や『鬼の跫音』の感想を漁ってみたが、
「2009年このミス作家別投票第一位作品」なるフレーズが散見される。*1
おそらく、上記のフレーズの書き手は、その誤りに気づいてすらいないだろう。


……道尾秀介は大好きな作家なので、このエントリを挙げようか迷ったが
やたらと頻発される「最高傑作」のフレーズ*2、グレーゾーンギリギリのアオリ、作品の魅力や作者の趣向を削ぐネタバレなど、
ここ数年、感心しない帯が目に付くので、その一例として記すことにした。



*1:正しくは、「2009年このミス作家別投票第一位(に輝いた作者の)作品」

*2:『鬼の跫音』の以前の帯が、まさにこれだった(笑)