FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

初版は1990年。そりゃあ、忘れるわ

樋口有介風少女 (創元推理文庫)』(東京創元社
風少女 (創元推理文庫)
→サクッと読了。一昨日の自分、「文春文庫版との違いを探す」と言ったけれど、
それ以前の問題で、肝心の内容を失念していた部分が多々あった。
そのため、とても新鮮な気持ちで読めたよ!(えー


ちなみに、巻末の作者によるあとがきによると、最初の文庫化でトラブルがあり
修正がまったくできなかったらしい。そんなこともあるんだな……。


ちなみに、“青春ミステリ”の名作と言われるこの小説だが、
“ミステリ”の部分は火サスレベルなので、拍子抜けすること間違いなし。


ただし、軽快かつ爽やかな文体、そして個性的なキャラクターたち*1の躍動は読書にスピード感を与えてくれるし、
捜査を進めていくうちに明らかになってくる元同級生たちの変化(とその過程)には何かと考えさせられる。
父の他界で状況が変わった主人公(とその家族)の判断も含め、かなり読ませる小説であることも間違いない。
全然甘くない青春、意外と重い物語に反してあっさりマイルドなラストなど、
ただ軽いだけの青春小説が嫌いな自分も満足できるデキ。
さすがは、直木賞候補作と言ったところか。*2



*1:特に主人公とその親族たち

*2:第103回直木賞候補作。詳しくはhttp://homepage1.nifty.com/naokiaward/senpyo/senpyo103.htmあたりを参照されたし