せめて、上下巻にして欲しかったぜ
古川日出男『聖家族』、重すぎ。いや、内容じゃなくって、重量の意味で。
つうか、通勤時に読んでいたら、隣の親父から「兄ちゃん、重くねぇか!?」と言われたさ。そんなのはじめてだよ!
ちなみに、“ケンシロウが鈍器で「あたっ!」と相手を撲殺するときに使用するレベル”と言えば、ピンと来るだろうか。
お買い得だね!(←ねぇよ)
●『聖家族』シリーズ(古川日出男公式サイト)
話のついでに。舞台解説や人物相関図がよくまとまっているので、ちょくちょく確認している。
そのような読み方ってほとんどしたことがないんだけれど……本書みたいな超大長編ならアリだと思った。
あと、リアル書店で休日のお楽しみ候補を買い増し。
●小島正樹『十三回忌』(原書房)※ミステリー・リーグ
宇津城家当主、恒蔵の妻が不審死を遂げた。しかし警察はこれを自殺として捜査を打ち切ってしまう。
それが不可解な連続殺人事件の始まりになった。その一周忌には円錐形のモニュメントに真上から突き刺さった死体、
三回忌には木に括りつけられさらに首を切られた死体、七回忌には滝に打たれ唇だけ切り取られた死体……と続いていく。
犠牲者はいずれも恒蔵の愛人の娘たちだった。そして十三回忌を迎える。
厳戒態勢のなか、やはり事件は起こった。復讐の神が奇跡を起こす。
今年度最大級のどんでん返しがあなたを待つ!
島田荘司氏激賛! 「いま、若武者は解き放たれた!」 (amazonより)
→島田荘司の弟子の実質的なデビュー作、しかも大トリックと来れば……読まないワケにはいかないだろ!
(関連)
●10月の新刊はど真ん中の高速スライダー(素行迷宮)
→原書房の中の人の解説。
●七河迦南『七つの海を照らす星』(東京創元社)
様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。
ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、
今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。
孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。
女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル……七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、
“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。
繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。(東京創元社Webサイトより)
→ワリとノーマークだったが、書店にてジャケット&あらすじ買い。ジャケットとあらすじに引っ張られてしまったこともあって
「(7人の少女が登場する)学園ファンタジックで群像劇な連作短編ミステリ」と勝手に思い込んでいたんだが……。
途中まで読んだけれど、思っていた以上に“日常の謎”ミステリっぽい仕上がり。