FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

問題作なのは間違いない

『レディ・イン・ザ・ウォーター』(公式)
さてと、『レディ・イン・ザ・ウォーター』の感想ですよ。
書いているうちにテンションが上がってきて何だか酷い文章になったけれど、この勢いのまま晒しておく。
なお、ネタバレ満載なので注意されたし。それでも構わないという方はどうぞ。




































信じる心とか、人にはそれぞれ役割があるとか、それらのテーマをガチで見せたかったんだろうなぁと読み取れるし、
そのテーマをストレートにキャッチできる人なら、泣ける映画なのかもしれん。
でも、自分にはアラが目立って仕方なかった。奇跡を見せるための骨格がなっていないので、それ以前の問題だ。
「お得意のどんでん返しはない」と監督自身が公言していたから、それを期待したことによる失望感じゃないよ。
作りが酷いの。“パワフル”*1じゃない、人はそれを“強引”というのだ。


そもそもこの映画は自身の子供たちのために作った“おとぎ話”が元ネタらしい。
確かに、本当にピュアな心を持つ子供にはオススメできる。子供向けのおとぎ話ならいい。
でも、これは一般向けの映画だぜ。おとぎ話だからファンタジーだから許せる? いや、自分は許せんぞ。おとぎ話なめんなよ。
例えば、「妖精が困っているから協力しろ」と言う中年管理人の戯言をすんなり受け入れてしまう幸せ回路爆発の住人たち。
それらのような“普通ではありえないばかばかしいこと”*2を登場人物たちが信じる理由となる描写があれば文句は言わない。
でも結局、きちんと説明されることなく、予定調和のままに進んでいくのは圧巻だ。いや、強引すぎて笑えるよ、本当に。


傑作なのが、何故かおとぎ話の隅々を把握していて、次にどうすればよいのかという
対処法まで知っている婆さん。あんた、何者ですか?
それを聞いた主人公は、まったく疑うことなくそれに従うワケですよ。何かのギャグかよ。


いや、まるで現実感がないし(何かの宗教みたい)、ちょっとクセのあるカメラワークと相まって
てっきり夢オチか劇中劇という仕掛けなのかと思っていたよ。本当にいいお客だよな。
まぁ、何だかんだ言って、シャマラン作品大好きだからさ、自分。


で、その肝心のシャマランはというと……いつものカメオ出演どころか、完全に主要人物の1人となってやがる。
見せ場もたっぷり! っておい、そんなことやっている場合じゃないだろ!

ラストのバッサリ感も凄いよ。悪意を感じるほどに。
“あのサインを超えた! 悪い意味で”というキャッチコピーが浮かんだぜ。






バッサリ切り捨てるのも何なので、良かったところも以下につらつらと。
・主人公役、ポール・ジアマッティーの怪演。特にドモリ声*3
・プールで泳ぐ姉ちゃん役、ブライス・ダラス・ハワードのエロさを感じない演技。本当に人外の者っぽい
・ミステリーを増幅させる音楽
・美麗CG+音響によるショックシーン
・映画評論家の(アイロニー効きまくりの)演説
・緑のプレデター西部警察! 爆笑!(えー






ちなみに、観客の入りは午後1時の部で10人ほど。早期の打ち切りが心配されるな。*4
終演後、カップルが微妙な空気を醸し出していたのが印象的だった。確かにデートムービーではないわな。
そもそも、一般人にはもちろん、“愛読書は映画秘宝”な怖いモノ見たさのサブカル野郎にさえオススメできん。
賛否両論……かどうかは他の人の感想を見ていないので分かりませぬ。


でも、自分はこんな映画を撮ってしまう(撮れてしまう)M・ナイト・シャマランが大好きだぁ〜!(えー



*1:プログラム内、シャマランのインタビューより

*2:これもプログラム内、シャマランのインタビューより

*3:例:ププププリーズ、ペペペペーパー

*4:ちなみに、『時をかける少女』は満員。ハコ入れ替えた方がいいんじゃ?