FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

ついでなので、今年度のベストミステリ5をば

まだ今年は終わっていないけれどな! 条件は“このミス”に倣って
2005年11月から2006年10月に発刊された、読んで面白かったミステリ。
条件に該当するミステリは30冊ほど。で、けっこう悩んだが……結果は以下になったYO!


平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社)
独白するユニバーサル横メルカトル


道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮社)
向日葵の咲かない夏


乙一『銃とチョコレート』(講談社
銃とチョコレート (ミステリーランド)


法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』(講談社
怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)


三津田信三『厭魅の如き憑くもの』(講談社
厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)


以下、寸評。一押しは平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』。
表紙も悪趣味だが、中身はもっと悪趣味。グロテスクな小品が並ぶ傑作短編集。


アクロバティックな終盤の展開にブラベスト*1を差し上げたいのが、上記エントリでも挙げた
道尾秀介『向日葵の咲かない夏』。途中に違和感があっても、ラストまでは頑張って読むべし。


「面白いミステリの前にレーベルは関係ない」ということを証明してくれたのは
乙一『銃とチョコレート』と法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』の2作品。
綾辻行人びっくり館の殺人』が出ていなければ、自分もこのレーベルに手を出していなかったワケで……。猛省。


三津田信三は今年出た“如きシリーズ”の2冊が両方とも良作。知名度が低いのはなぜ?
ここでは、ホラー+ミステリがうまく融合している『厭魅の如き憑くもの』をプッシュしておく。




ちなみに、次点は、米澤穂信ボトルネック』(新潮社)。
ボトルネック
正直、SFとしてもミステリとしてもツッコミたくなるような箇所はある。
しかし、それらの欠点もすべて“痛さ”に繋がっているという点で秀逸。“痛い”小説としては完璧。