FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

私信:課題本、読破したぞ!(笑)

積読本もあらかた片づいたので、ミステリ界隈で話題になっている道尾秀介の3作品に着手。
各所で「年末の賞レースで票割れ必至」と書かれているので、これは読まないワケにはいかないだろう、と。
つうか、もう“このミス”“本ミス”の季節かよ。1年が過ぎるの早ッ!






道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮社)
向日葵の咲かない夏
→ホラー+ミステリの趣。帯の“分類不能”も頷ける、終盤のエクスプロージョンは必読モノ。
しかも、何だかんだいって辻褄は合っているのだから、不思議と言えば不思議。
描けと言われても描けない、超絶技巧を凝らした力作。


道尾秀介『骸の爪』(幻冬舎
骸の爪
→今時レアな、直球ど真ん中の本格ミステリ。端正な仕上がり。
超地味だけど、本ミスでは上位に食い込みそうな感じ。


道尾秀介『シャドウ』(東京創元社
シャドウ (ミステリ・フロンティア)
→けっこうトリッキーな小説なのだが、抜群のリーダビリティのおかげでサクサク読める。
自分は幸運か不幸かミスリードを察知できたので、どんでん返しの醍醐味が
薄れてしまったような気もするが、作品への高評価は変わらない。伏線の回収も見事。




結論から言うと、おいしゅうございました。終盤、畳み掛けるように*1
伏線を回収していく様は職人芸んのよう。……一応、新人なのに。
ファンが票割れを惜しむのも頷ける出来映え。



*1:しかも、取りこぼすことなく