FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

積読消失、そしてまた積読

何だかんだ言って楽しみな通勤時間の暇つぶし、今週は読書週間の出番。*1
積読していたミステリが片づいたので……新たな積読候補を購入!(えー




舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日 下』(新潮社)
ディスコ探偵水曜日〈下〉


●牧薩次『完全恋愛』(マガジンハウス)
完全恋愛


湊かなえ『告白』双葉社
告白




あと、読んだままの“投げっぱなしジャーマン”にしているミステリの感想を、コツコツとUPしていこうかと思う。
とりあえず、10個ほど書き溜めた。ネタ切れのときに投入するZE!(えー






舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日 上』(新潮社)
ディスコ探偵水曜日〈上〉*2
読了。621ページのボリュームもさることながら、それ以上に凄まじいのが、その小説の中身。
『このミス』のランクインは、間違いないだろう。

愛、暴力、そしてミステリ。舞城史上、最大のスケールで描く最高傑作。


迷子捜し専門の米国人探偵・ディスコ・ウェンズデイ。あなたが日本を訪れたとき、
〈神々の黄昏〉を告げる交響楽が鳴り響いた――。
魂を奪われてしまった娘たち。この世を地獄につくりかえる漆黒の男。
時間を彷徨う人びと。無限の謎を孕む館・パインハウス。
名探偵たちの終わり無き饗宴。「新潮」掲載+書下ろし1000枚。二十一世紀の黙示録、ここに完成。
新潮社 書籍詳細より)



暴力的で独り善がりな、一人称視点の文章。でも、ハイテンションで、疾走感があって、不思議と嫌悪感の湧かない文章。
その相変わらずの舞城節で、「思いつきで書いているんじゃないか?」と勘ぐってしまうほどの、荒唐無稽な物語が展開していく。
そして……出るわ出るわ、焦心苦慮する探偵、ディスコ・ウェンズデイをあざ笑うかのような、作者の悪ふざけ。*3
挙げ句の果てにタイムワープなどの超常現象も飛び出し、「すわ、ミステリかと思ったらSFか!」
……と思ったのも束の間、それすらを飛び越えそうな感じ。辻褄をハナっから無視していると思われる。


この傍若無人でフリーダムな世界を堪能しているうちに、「もう、ジャンルなんかどうでもいいや!」という心境になり、
読み終わる頃には、「○○*4最高! 物語の結末を早く読みたいZE!!」と、すっかり洗脳されてしまった。
あっという間に読了。キャラクターの力は偉大だな!*5


アクは強いが、ツボにはまればすこぶる面白く読めるエンターテイメント小説かと。
自分は……速攻で下巻を購入したのは、言うまでもない。



*1:他にはDS週間、PSP週間、ケータイ週間、企画書週間、爆睡週間などがある

*2:ちなみに、表紙イラストは“初音ミク”のキャラクターデザインを手掛けたKEI氏。同僚に指摘されて、初めて気づいたのは内緒

*3:もちろん、良い意味で

*4:←キャラクター名が入る

*5:逆に考えれば、キャラクターが立っている小説ということか