FURUGI@BLOG

横浜在住のmooran(むーらん)が書く日記のようなもの。

麻雀×ミステリ→かなりイケる

中山昌亮、我孫子武丸『迷彩都市』(竹書房)#1
迷彩都市 1 (近代麻雀コミックス)

都内で頻発する連続殺人。その傍らには謎の牌が。牌を並べ、
何らかのメッセージを読み取ろうとする捜査本部だが、謎は深まるばかり…。
この牌の意味は!?そして犯人の目的は!!殺人現場に置かれたひとつの牌。
それは…犯人からの挑戦状!!!???(amazonより)



ジャケ買い。あまり期待していなかったんだけど、意外や意外の面白さで今週の掘り出し物マンガに認定!
掲載誌が『近代麻雀』という麻雀マンガであり、ミステリ作家・我孫子武丸書き下ろしの新作ミステリーでもある。


死体のそばに麻雀牌が残されるという連続殺人事件が発生。被害者は皆、麻雀界の人間。
手練れの雀士でもある主人公たちは、現場に残される麻雀牌を“捨て牌”と判断し、
麻雀の打ち筋を基に犯人に迫る……。これがストーリーの大筋。


「よくもまあ、こんなイカレた設定考えるわ……」とツッコミたくなるほど“アレ”な事件であり、
捜査のアプローチも「ダメ警察の典型出た!」と叫びたくなるほどむちゃくちゃ*1なんだけど、
捨て牌の謎を推測する面白さに加え、新たなヒントとなる麻雀牌を提示(=犠牲者南無)するテンポがGOOD。
間延びせずに一気に読めるよ! つうか、気づいたら自分も捨て牌の謎を推測してるし。
捨て牌があれば、打ち手の意思を推測したくなるのが雀士。その心理をうまく利用した作品と言える。


後半、やや“火サス”な雰囲気を醸し出してきたのが気になるが……事件の落とし所がどうなるか、次巻(最終巻)に期待。
闘牌シーンもあるので麻雀プレイヤー以外にはとても薦められないニッチなマンガだが、
合う人には合うタイプのマンガだと思われる。特に、雀士なミステリ小説読みには激しくオススメしたい!

*1:主人公が指摘するまで気づかないアホ刑事たちとか